Talk04

飯田瑞規×荒井岳史(the band apart)

(取材・文 / 西廣智一)

ウインドウを閉じる

■ステージ上手に立って歌ってるのもバンアパの影響(飯田)

──飯田くん、今日はインタビューが始まる前から「緊張する……」と言っていますが

飯田 そうなんです。荒井さんと改めて喋るのが本当に緊張して。

荒井 こんな正式な形でまともに話すのは初めてだからね(笑)。

飯田 今まで何度も会ってるですけど、こういう場じゃないとなかなか話せないことも多いので、今回オファーさせてもらいました。

──では、まず最初に飯田くんがthe band apartを知ったきっかけを聞かせてもらえますか?

飯田 はい。かなりさかのぼるんですけど、そもそも僕は小学生の頃、ボーカルグループをやっていた兄の影響で、音楽を聞くようになって、人前で歌うことにも興味を持つようになっていたんですね。その頃はボーカルグループばかり聴いてたんですけど、中学の同級生にすごく音楽に詳しい奴がいて、その頃勢いのあるインディーズバンドが出てる「HANG-OUT」という番組をそいつが録画していて、めちゃくちゃカッコいいバンドがあるからといって最初に見せてもらったのが、「Eric.W」のライブ映像だったんです。

荒井 ああー、懐かしい(笑)。

飯田 最初のイントロから歌に入るところで衝撃が走り、それから「バンドをやりたい!」と思うようになった、本当にきっかけを与えてくれたのがthe band apartなんです。で、近所の中古盤屋を覗いたときにシングル「FOOL PROOF」があって、「見つけた!」と思って買って、そこからがっつり聴き始めました。Limited Recordsのコンピレーションアルバム「STYLE OF Limited」も聴いたり……。

荒井 ずいぶん前の話ですねえ……(笑)。

飯田 (笑)。で、高校に入って今のメンバーに出会って、「バンアパが好きなんだ」って言って。ステージ上手に立って歌ってるのもバンアパの影響で……だから今日は超緊張してます(笑)。

荒井 あははは(笑)。最初に会ったのはいつだっけ?

飯田 まず所沢(航空公園)でTHE GET UP KIDSのイベント(2013年11月のイベント「tieemo」)があって。

荒井 ああ、あった! でもあれが最初じゃないでしょ?

飯田 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」では何度かお会いしていて。イベント的に初めて一緒のステージでやったのが、たぶんあれだったと思うんです。

荒井 「SOUND SHOOTER」もあったよね。

飯田 あ、そうですね。橋本塁さんに誘っていただいたときにもご一緒したことがあって。しっかり対バンしたのは、2年くらい前の「SOUND SHOOTER」だったのかな。

──では荒井さんはcinema staffというバンドをどういうきっかけで知りましたか?

荒井 たぶん最初は……今話に出た橋本塁の写真展で、弾き語りライブをよくやるんですね。そこにcinema staffというバンドが出て、「こいつらあと何年かしたらすげえ有名になるから、観に来たほうがいいよ」と言われて(笑)。彼らがうちのバンドのことを好きだと言ってくれてるってことも聞いたんですね。で、そのときにCDをもらったのかな? それが確か2ndアルバム(「望郷」)だと思うんだよね。そのときは話したんだっけ?

飯田 「SOUND SHOOTER」の打ち上げでちょっと挨拶させていただいて。そもそも緊張していたんで、そんなに喋ることもできなくて(笑)。そのときは木暮(栄一)さんも来てましたよね。

荒井 という感じで、最初は橋本塁から名前を聞きました。

──その「バンアパのことが好きだ」と言ってたのが飯田くんだったと。飯田くんからしたら、荒井さんは憧れの人じゃないですか。実際にお会いしてお話ししたときの印象ってどうでしたか?

飯田 じっくり喋ったのは名古屋での塁さんの写真展で弾き語りしたときで、本当に気さくに話しかけてくれて。

荒井 シネマってかなりオルタナティブな音楽をやってる人たちだから、最初はキャラが想像しづらくて。でも実際に会ってみたら、フワッとしてるなと思ったんです(笑)。もちろん、いい意味でね。優しい雰囲気っていうか。もっと尖ったイメージを浮かべるでしょ、ああいう音楽をやってる人たちって。音にも棘があるから。だから逆だなと思って。でもそういう人に限って裏ではすごいみたいなのもあるじゃないですか(笑)。そこから何度か話して、本当にこのままの人なんだなっていうのがわかりました。

■うちの場合は締切寸前の瞬発力で作るスタイル(荒井)

──ちなみに飯田くんから見たthe band apartの魅力とは?

飯田 細かなギターフレーズを弾きながら歌ったりカッティングで進んでいったりする音楽がすごく新鮮で、英語詞っていうのもすごくカッコよく感じたし。そもそもスキルがすごいなと思ったんですね。中学、高校の頃はコピーバンドでバンアパをやろうと思ったことも何度かあったんですけど、弾こうと思っても全然弾けなくて。技術の高さは本当にすごいなって。最初にCDを出した頃っておいくつだったんですか?

荒井 21、2かなあ。

飯田 そう考えると、改めてヤバいですね。うますぎます。

荒井 そんなことないよ。全然できてなかったし、今もあんまできてないけどさ。

──それくらいの年齢っていうと、シネマで残響からCDを出し始めた頃じゃないですか?

飯田 そうですね。今考えると1枚目のミニアルバム「document」を出した頃のシネマって完全に技術不足で。東京で録音して岐阜に帰るとき、車内でかけたらみんな黙り込んじゃって、嫌な空気が流れてたのを覚えてます。だから同じ年頃であんな作品を出せてたんだなって思うと、本当にすごいですね。

荒井 いやいやいや(笑)。僕も1stアルバムなんて二度と聴きたくないから(笑)。

飯田 僕もその車内で聴いて以来、全然聴いてないですけど(笑)。聴けたもんじゃなかったですよ。

荒井 でもすごいよ。俺たちとはポテンシャルが全然違いますもん。

飯田 話は変わるんですけど、バンアパってレコーディングの最中に、その場で曲を作ってた時期があると聞いたんですが?

荒井 いや、それ全然すごくないからね?(笑)

飯田 僕はレコーディング前にフレーズをかっちり決めて、それを録音するものだと思ってたんですけど、その場で作って期間内で収められるってマジでありえないなと思って。

荒井 いや、ここだけの話ですけど、結構スケジュールは押してましたよ(笑)。もう7枚もアルバム作ってますから、最近はやっと押さなくなったっていうね(笑)。でもバンドによっていろんなスタイルがあるから。うちの場合は結構ギリギリまでできなかったり、いい言い方をすれば締切寸前の瞬発力で作るスタイルだったけど、シネマの場合は事前に作り込むっていうタイプなわけでしょ?

飯田 そうです。レコーディングのその場で一から作ろうというのはないですね。

荒井 まあそれは誰でもキツいですよ(笑)。

飯田 歌詞もその場で書くんですか?

荒井 うーん、そういうときもあったような気もするけど。それはさすがにね、全然正しくないし、賞賛には値しないと思うよ(笑)。

■曲の素晴らしさはもちろん、歌が抜群にうまい(荒井)

──荒井さん、シネマのニューアルバム「blueprint」を聴いた感想は?

荒井 最初のスキットみたいなインスト(「陸にある海」)は意外で、1曲目からバスっと来るのかなと思ってたら、2曲目(「drama」)で「お?」みたいな感じになって。俺、1曲選んでくださいってアンケートでこの曲と「孤独のルール」で迷って、最終的には「孤独のルール」のほうを選んだんですけど……やっぱり全体的に押し引きがすごくうまいなって。どの曲にもちゃんとフックがあるのは本当にすごいと思うんです。で、いきなりストッて落ちてハッとさせられる展開が多くて、そこもすごくよかったです。曲の素晴らしさはもちろんなんですけど、やっぱり歌が抜群にうまいんで。そんな人がなんでうちのバンドがいいと言ってるのかわかんないんですけど(笑)。とにかく、ずっと聴いていられる1枚です。

飯田 ありがとうございます(笑)。

荒井 以前俺がもらったのはたぶん2ndだと思うんだけど、あれももらってすぐ車に持っていって、ずっと聴いて。シネマはオルタナといってもいわゆる一般的なオルタナのイメージというより、例えばハードコアみたいな要素があるバンドなんだと気付いて。でも今回のアルバムではより歌が届きやすくなっていて、ポップさの部分も変わったような気がします。

飯田 そうですね。今回のアルバムは歌を前面に出そうというのはありました。

荒井 ポップな歌とハードコアな部分が不思議なバランス感で存在していて、それが一番の魅力なのかもね。あのギターの音の感じとか、俺の中ですごくいいんだよ。

飯田 今回ギターのレコーディングで、残響shopで働いてるシネマのことが好きなスタッフから、60万円5年ローンで買ったビンテージのジャズマスターを借りたらめちゃくちゃ音が良くて。それが欲しくなって「このままくれよ!」と言ったくらいなんです。でももらえなくて(笑)。

荒井 そうなんだ(笑)。ファンだからもらったのかなっていう話だと思ってたのに。

飯田 でもそのおかげもあって、かなりギターの音は曲ごとに変化はつけられたように思うんです

荒井 うん、すげえよかったよ。もちろんベースとドラムの音もよかったんだけど、俺はやっぱり自分がギターだから、ギターの音をすごく聴いちゃうっていうか。好きな音です。曲はみんなで作ってるの?

飯田 ブレーンはベースの三島(想平)で、三島が持ってきたフレーズからみんなで作っていく感じです。

荒井 なるほど、バンマスみたいな感じなんだ。

飯田 そうですね。バンアパはメンバー全員同い年ですよね?

荒井 そう。シネマもそうなの?

飯田 そうなです。僕と三島、辻は高1からずっと一緒で、久野が大学から入ったんです。

荒井 うちと似たような境遇だね。

飯田 それで、メンバー同士仲良いことも公言されてますよね?

荒井 「仲良いことを公言してる」って、本当は仲悪いみたいじゃん(笑)。

飯田 いえいえ(笑)。でも長いこと一緒にいると、友達ともまた違うじゃないですか。シネマはメンバー同士一緒に住んでいた時期もあったんですけど、バンアパはいざこざとかなくやってこれましたか?

荒井 いやあ、それは普通に無理ですよ。まあいざこざってほどではないけど、変な空気になるとききは曲を作ってるときにあるよね、バンドは。

飯田 自主レーベル「asian gothic label」を立ち上げたのは、アルバム「quake and brook」からですか?

荒井 えっとね……2ndアルバムから一応独立で。

飯田 別に僕らが今独立したいというわけではないんですけど(笑)、楽しそうだなと思って。いつかそういう経験もいいのかもしれないですけど、バンアパの場合はどうしてそんな早い段階で独立しようと思ったんですか?

荒井 いやいや、それはね……バンドの総意としてはそんなに独立を考えてなかったというか。たまたま俺たちは転機が早くにあっただけで、例えば独立して音楽をやることが別に正しい選択肢だとは必ずしも思わないし。ただそういう流れが俺たちの場合はあって、今ここにたどり着いただけなんだよ。

飯田 辻も残響shopの店長みたいなことをやっていて、そこから「Like a Fool records」もやっているんですけど、改めてその若さで独立という決断をするのはすごいなって。

■オフがあったら映画館に行って、はしごしたり(飯田)

荒井 ところでもっとアルバムのこと、聞かなくていいの?

飯田 いや、もうアルバムのことはそんな……ね(笑)。そうだ、ちょっと話が変わって、映画の話もしたいなって。

荒井 アルバムの話はもういいんだ(笑)。

飯田 大丈夫です(笑)。

荒井 この前、ちょっと話したよね、「好きな監督は誰ですか?」とか。俺、映画は好きだけど超偏ってるからさあ。

飯田 the band apartって名前自体も映画絡みですもんね。

荒井 そう、クエンティン・タランティーノのプロダクションの名前(A BAND APART)をゴソッとね。

飯田 もともと(ジャン=リュック・)ゴダールですもんね、「はなればなれに」(原題「Bande a part」)から来てるわけで。cinema staffの場合は、ACIDMANの「Cinema」っていう企画ライブにバンアパとTHE BACK HORNが出ていて、高校の頃に俺と辻と当時のドラムの3人で観に行ったんですね。それを悔しがった三島がずっとシネマってワードが頭の中に残っていて付けたというのが、cinema staffの由来でもあって。

荒井 いや、面白いよね。なんでそこでスタッフって付くんだろうって。

飯田 本当は「cinema crew」にしようかと思ってたんですけど、MOTLEY CRUEとちょっとカブるなって(笑)。でも完全に響きですね。今でも映画はよく観ますか?

荒井 観ますよ。でもさ、瑞規は今でも映画館に観に行くんでしょ?

飯田 全然行きますね。オフがあったら映画館に行って、はしごしたり。

荒井 それは1人で行くんでしょ?

飯田 そうですね。俺、必ず最前列で観るんです。視界に人が入るのがイヤなんで。最近、何かいい映画ありました?

荒井 最近かあ……huluでも観てるんでしょ? 俺もメチャクチャ観ていて、それで昔観た映画をまた観てるんだよね。最近観たのが……ああ、今から言う映画は女性が挙げそうな映画だなあ(笑)。ちょっと迷ってしまうんですけど……まあいっか。あの、「ラブ・アクチュアリー」って映画、知らない? あれ、すごくいい映画だよね。

飯田 いいですよね。

荒井 内容が超ラブコメで。でもあの映画だけは俺、3年に1回くらい観ちゃうんだよ。役者がすげえいいんだよね。ヒュー・グラントとかリーアム・ニーソンとか、アメリカドラマの「ウォーキング・デッド」で主役の奴(アンドリュー・リンカーン)とかも出てるし。

飯田 あれ、面白いですもんね。

荒井 アメドラも好きなの?

飯田 好きですね。しかもこれも女の子みたいですけど、「ゴシップガール」とか観てますから(笑)。

荒井 出た(笑)。第二の「ビバヒル」(「ビバリーヒルズ青春白書」)的なやつでしょ? 俺はさわりしか観たことがないんだけど、さすがにハードル高すぎた。オシャレすぎてダメだった(笑)。そもそも映画に目覚めたきっかけはなんだったの?

飯田 きっかけは……両親が本当に映画好きで、同じ映画を2、3回観に行くような人なんです。今、母親は「アジア映画祭」みたいなやつをボランティアで手伝っていて、去年も「スタンリーのお弁当箱」とかを勧めていて。小津安二郎の映画も母親が好きだったから見せてもらっていたんですよ。だから、その影響が大きいですね。

■ソロをやるんだったらやりたいときにやるのがいい(荒井)

荒井 最近よかった映画、ある?

飯田 「ホドロフスキーのDUNE」っていう映画ですね。アレハンドロ・ホドロフスキーっていう人が何十年か前に「DUNE」っていうSF映画を作ろうとして。でもお金がなくて未完成のまま終わっちゃったんですけど、「ホドロフスキーのDUNE」では当時どういう気持ちで監督が作ってたのかっていうのがドキュメンタリーで描かれてるんです。

荒井 あ、俺それ知ってるかも。

飯田 本当ですか? 監督は80歳ぐらいなんですけど、物凄くモチベーションが高くて、本当に今も思春期ぐらいの好奇心で映画を作ってるんですよ。物作りに関わっている人には特にお勧めしたい作品なんですけど、その人が「歳をとることは素晴らしいこと」って言っていて。俺、去年は歳をとることが不安だったんですけど、その言葉ですごく楽になって。実は弾き語りを始めた理由もそこに関係しているんです。俺、いつかソロでCDを出したいと思っていて……大雑把なんですけど、荒井さんはどういうふうにやっていったのかなというのを聞きたくて。

荒井 俺の? どうだろう……具体的には考えてなかったんだけど、例えばシネマが今みたいにアルバムを出して、バンドとしてもずっと右肩上がりで来てるのが、活動自体がちょっと落ち着く瞬間があると思うのね。俺にもそういうときがあって、バンド活動をすることに対してずっといっぱいいっぱいだったのが、30過ぎてから心に余裕が出てきたからやろうと思っただけで。

飯田 俺は今28なんですけど、その頃ってずっとバンドを続けていこうって皆さん思ってたんですか?

荒井 28歳の頃かあ……まあ続けようとは思ってたけど、ある種の苦悩をしてた時代ではあったかもしれない。ちょうど3rdアルバム「alfred and cavity」と4thアルバム「Adze of penguin」の間ぐらいかな。バンド内がうまくいっていなくはないんだけど、自分に余裕がなかった時期で。

飯田 周りの同級生とか考えると、結婚して子供も生まれてって時期じゃないですか。そんな中で音楽をやっていくことで不安になることもあって。

荒井 うん。でも今いろいろ思ってること、感じてることが実は歌に出てたりして、結果的にそれがすごくいいことだと思んだよね。ソロをやるんだったらやりたいときにやるのがいいですよ。今だから早いってこともないし。

飯田 この2年くらいでアルバム1枚作れたらなって思うんですけどね。

荒井 バンド活動の傍ら、曲をどんどん貯めておくといいよ。あ、ちょっと映画の話からズレちゃいましたね(笑)。

■もっと力を付けないと、この先やっていけないかもしれない(飯田)

──お2人は以前も弾き語りイベントで共演していて、5月8日にも渋谷LOOP annexでのイベント「STOP! Acoustic special!!!」でツーマンライブを行います。

飯田 そうですね。以前、La.mamaで辻と「外食」としてやったときは、アンコールでSMAP歌いましたね。

荒井 「夜空ノムコウ」ね(笑)。

飯田 この前、福岡では福山雅治の「Squall」を一緒にやって(笑)。5月も何曲か一緒にやりたいですね。

荒井 せっかくだからね。

──そういえば飯田くんは別のインタビューで、弾き語りでの経験がこの1年ですごく実になってきてると言ってましたよね。

飯田 そうですね。シネマの歌詞は三島が書いていて、一緒に暮らしてるし同じような経験をしてるからスッと入ってきやすいんですけど、対象があって誰かのために歌ってるというわけではなくて。だから弾き語りでは誰かのために歌いたいなとずっと思っていて、例えば母親のためとか兄の結婚のためとか。去年「27歳」という曲を作ったんですけど、それは自分のために、当時の気持ちを記録しておこうと思って書いたんです。そういうことを経験してバンドに戻ったとき、またバンドの歌詞に対する姿勢も変わってきて。

荒井 いいね、それは続けたほうがいいと思う。うちのバンドもみんな歌詞を書いていて、別に誰が歌詞を書いてもいいと思うんだけど、歌う側としては気持ちが少し違うもんね。例えばこの間弾き語りでやってた「27歳」って曲とか、バンドとは違ってよりパーソナルな内容だからこその良さがあるし。より歌の生々しさがわかるから、弾き語りはいいと思います。

──荒井さんは弾き語りやソロ活動を始めてから何か変化はありましたか?

荒井 そうですね、個人的なスキルもそうですけど、バンドに対する気持ちみたいなものも変わりましたよね。当たり前ですけど、1人でやるってことは全部1人で請け負わなきゃいけないわけじゃないですか。でもバンドって塊で勝負してるんだってことも改めて実感したし。ソングライティング的にも、ソロではより自分のパーソナルな部分を出しつつ、かといって自分だけに寄らない感じに、もっとわかりやすくやりたいなって。今はそれがバンドにも反映されてきてる気がします。難しいものよりはシンプルなものをやりたいなと。

飯田 俺、ソロアルバムではアレンジャーさんを入れないで、ハナレグミの3rdアルバムみたいに家で弾き語りをしたようなものをそのまま作品にできたらなと考えていて。とにかく今作ってる曲を形にしないとなと思ってます。それが結果的にバンドにつながればいいなと。それこそ辻と三島がやってるpeelingwardsってバンドもあるし、俺も辻と外食をやってるし、それぞれ活動を広げてもっと力を付けていかないと、この先やっていけないのかもしれないなと思ってます。

荒井 十分に力はあると思いますけどね。

飯田 いやいや、ないっすよ(笑)。

──憧れていた方からそんな言葉をかけてもらえるなんて、よかったですね(笑)。これで対談は終了となりますが、最後に何か言い残したことは?

飯田 あ、最後に一言だけ。俺たちの地元・岐阜で開催しているイベント「OOPARTS」に去年バンアパに出ていただいて、ラストの「k.and his bike」で号泣したっていう思い出を書いておいてください(笑)。

荒井 ありがとうございます(笑)。